昭和女子大学 現代教育研究所

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英語教育研究グループ

英語教育の課題とグループ活動について

2018.11.02

文部科学省のグローバル人材育成に向けての英語教育改革により、日本の英語教育は大きな転換期を迎えています。2020年4月より、日本の小学校において新学習指導要領が全面実施され、小学校の3・4年生では、週1時間(年間35時間)の「外国語活動」、5・6年生では、週2時間(年間70時間)の「外国語科」が必修として組み込まれてきます。中学年では、聞くこと・話すこと(やり取り・発表)を中心とし、外国語に慣れ親しませ、学習への動機付けを高めること、高学年では、段階的に文字を読むこと、書くことを加え、系統性を持たせた指導を行うことを目指しています。また、2018年度4月からは、新学習指導要領に対応した小学校高学年用外国語教材「We Can!1・2」、中学年用外国語教材「Let’s Try!1・2」が使用されています。

小学校での英語の教科科・必修化へ向け、いよいよ残り1年半となりました。移行措置期間であるこの時期に、学校現場で課題となっていることや取り組むべき内容はどんなことでしょうか。移行期である現在、そして2020年度から、小学校の5・6年生に英語を教科として、また、3・4年生に英語活動として教えることに対して、多くの教員が不安を抱えています。また、英語自体に苦手意識を持っている教員も未だ大勢います。更には、近年、教員の「働き方改革」が推進されてきている一方で、過度の長時間労働が常態化し、校務などの教員への負担は軽減していないのが実状です。小学校での長時間労働を抑制することにより、新学習指導要領が掲げる「主体的・対話的で深い学び」を実現することができ、子どもたちの学習の質を一層向上させることが可能となるのではないでしょうか。加えて、新学習指導要領では、子ども達の未来社会を切り拓くための育むべき資質・能力の育成のために、従来の知識・技能の習得が重視された教育から、「身につけた基礎的な知識・技能をどう使うか(=「思考力・判断力・表現力等」の育成)」、そして「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(=「学びに向かう力・人間性等」)」が求められています。

そこで、英語教育グループでは、昨年度発刊した「Mini-activities for Elementary School English Classes」を発展させ、今年度は、小学校での外国語教育の充実にあたり、新教材の整備、教員養成・研修の一体的な改善が必要であると考え、小学校における外国語・外国語活動でのICTの活用に関して検討を重ねてきました。そこで、その議論をふまえて、現在、授業で使用することができる2つの動画を撮影・編集を進めています。

授業の中でICTを活用することにより、英語運用能力や英語の発音・リズムに自信のない先生でも、PCやタブレットと、スクリーンやプロジェクターを連結させるなど、ネイティブの音声を子どもたちに聞かせることができるようになります。動的でインタラクティブなコンテンツの提供により、英語に対する興味・関心を高めるばかりでなく、コミュニケーションツールなどを活用することで、海外や他地域の児童との交流学習も図ることができるようになります。デジタル教材を使用することで、先生が不安なく教えやすくなり、子どもたちも楽しんで学びやすくなるように、ICT環境の整備を行うことも急務です。

今後、随時、YouTubeなどでの配信を予定しています。ぜひご覧いただき、授業や自己研鑽の一助にしていただければ幸いです。


(文責:英語教育グループ 國分有穂)