昭和女子大学_現代教育研究所_EduMate_Vol1
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ば幸せになれるのでしょうか?幸せでありたいと誰もが願います。わが子の幸せを親は願うものです。自分から望んで不幸せになりたいと願う人は極めて稀だと思います。では、幸せな人生を歩むために、私たちは何をどのように学べばいいのでしょうか?どのような生き方・あり方を選択し、創造していけばいいのでしょうか?それらの問いを探究しようとする挑戦が今注目を集めています。本稿の主題に掲げたポジティブ教育です。◇      におけるポジティブな側面、つまり、幸福やウェルビーイング方、心身ともに健康な生き方)、個人やコミュニティの繁栄について研究する学問」であるポジティブ心理学私たちは、どのように生きていけポジティブ教育は、「人間の生活(よい生きを教育分野に応用する試みのことを指します。ポジティブ心理学では、例えば「なぜうまくいかないのか」よりも「なぜうまくいくのか」を、「どこが問題か」よりも「どこが優れているのか」に注目します。従来の心理学が「病理・欠陥モデル・問題志向」に偏っていたことを反省し、「健康・成長モデル・解決志向」への転換を図ろうとしているわけです(表)。豊かで幸福な人生を実現するために必要な資質や能力、知識、スキルなどが科学的に検証され、それらの知見を教育に生かすための方法が模索されています。ポジティブ教育の見地から教育のあり方を見直してみると、様々なことに気づくことができます。まずは、学習指導を例にとって考えてみましょう。仮に子どもがあるテストの点数で70点を取ったとしましょう。大抵の場合、なぜ残りの30点が取れなかったのか、その原因を分析し、今後の学びに向けた課題と対策などを導きだそうとするのではないでしょうか?もちろん、そうした分析も大切ではありますが、見方を変えればこともできるわけです。なぜ70点が取れたのか、うまくいった理由は何かという吟味も重要であることをポジティブ教育は示唆します。同様に、成績がよい教科もあれば、そうではない教科もあります。通知表を手がかりにしながら学びをふり返るとき、往々にして悪い成績ばかりに目が向いてしまいます。そうではなく、良い成績にも同等の注意を向ける必要があります。その教科のどんな学びが自分の心に響き、どんな場面で熱中し、どんな努力が自分の成長をもたらしてくれた生徒指導の最前線ポジティブ教育のススメ病理・欠陥モデル問題志向健康・成長モデル解決志向70点が取れたという成果に注目する12「あるべき姿」に照らし合わせながら、病理や欠陥を見つけ、それらを治療、 矯正しようとする考え方問題に焦点を置き問題が発生した原因を深く分析しようとする意識・態度強み(持ち味、良いところ、うまくできていること)を見つけ、それらを手がかりにしながら、  「ありたい姿」を実現しようとする考え方問題の解決した未来の姿をイメージし、それに近づく解決方法を見出そうとする意識・態度表:ポジティブ心理学が掲げるパラダイムシフト

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